ある年の夏休みに、大分県日田の湧水池を撮りに一人で出掛けたことがある。しかし、自分がイメージしたような風景ではなかったため、急遽熊本まで足を伸ばすことにした。阿蘇で湧水池を探していたところ、白水村の国道沿いでふと滝の標識を見付けた。その滝は、清水滝という地元では知られた滝で、国道から細い道を進み、さらに駐車場から歩いて山を降りたところにある。一人で60キロぐらいの撮影機材を担いで山道を下り、この風景に出会った。この滝の脇にはもっと大きな滝があり、これは一番小さな滝なのだが、自分にはこちらのほうが面白く感じられた。この場所はうっそうとしているが、太陽の加減で一瞬光が差し、スポットライトの当たった舞台のようになった。その瞬間を逃さず、シャッターを切った。その後一人で車を運転し、鹿児島経由で新潟まで、不眠不休で24時間かけて帰ってきたという思い出の撮影地でもある。
撮影データ/ディアドルフ5×7、スーパージンマーHM110ミリ、絞りf22、1秒、ベルビア 5×7インチ判フィルム
