荒波の笹川流れ(新潟県・山北町)

この場所から撮影した笹川流れの風景は、私が度々訪れるポイントである。初日に撮影したものは、海も凪いでいてとても穏やかな風景だった。しかし、冬の日本海は一日で大きく変貌する。翌二日は、まったく手の付けられない荒れた天気で、海も怒濤のごとく荒れ狂っていたのである。この荒々しい風景もカメラに収めたいと思い、悪天候の中、私は一人、機材を担ぎ足場の悪いところに三脚を立てた。この日は非常に強い冬型の気圧配置。日本海からは雪交じりの冷たい風が吹き付け、大判カメラがぶわぶわと揺れた。寒さに耐えかじかみながら風が止むのを待っていると、雲の切れ間から一筋の光が射し、カメラの揺れが一瞬止まった。その千載一遇のチャンスにシャッターを切った。風景写真の撮影には、気力と体力に加えて、厳しい環境に耐える努力も必要なのである。

撮影データ/エボニーSW4×5、アポジンマーMC210ミリ、絞りf22、1/2秒、ベルビア 4×5インチ判フィルム

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