秋の奥入瀬渓流(青森県・十和田市)

私はこれまで、日本や熱帯雨林の自然風景をカメラに収めて続けてきた。その経験から言って、風景写真に適した時間帯はやはり朝である。早朝、空が白み始めるころから日が昇りきるまでは、光の状態が劇的に変化し、風景は刻一刻と違った表情を見せる。また、夜から朝にかけて露が降りるため、地表や植物の表面がしっとりと濡れ、風景がより魅力的に見える。原生林の中を流れる渓流に苔むした石が点在する奥入瀬の風景は、「佗び・寂び」の表現の原点とも言える。苔や石は特にしっとりと濡れていてこそ美しさが際立つ。朝の凛とした空気の中、紅葉の奥入瀬渓流を撮らえた。

撮影データ/ディアドルフ8×10、スーパーアンギュロン90mmXL、PLフィルター、絞りf22、1秒、プロビア 8×10インチ判フィルム

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